BIとAIの違いとは?できることの違いも解説!
近年、BIツールの導入が各企業で進んでいます。またAIを活用するシステムやサービスも増えており、最近ではChatGPTなどの生成系AIが話題になっていることから、何らかの形ですでに業務に取り入れている企業も多いのではないでしょうか。
そもそもBIとAIはどちらも「Intelligence(知性・知見・知能)」を表す用語ですが、どのような点に違いがあるのでしょうか。今回は、BIとAIの違いや、できることの違いをご紹介します。
BIとは?
BIとは、「Business Intelligence(ビジネス・インテリジェンス)」の略で、直訳すれば「ビジネスの知見(知能)」となります。 一般的には、ビジネスにおける意思決定を助ける知見のような意味合いで使われています。ここでいう知見とは、主に「データ」を指しており、データに基づく意思決定を実現させるという意味です。 実際にBIという言葉が使われる場合、BIツールというBIを行うシステムを指すのが一般的です。 BIツールとは、意思決定支援システムの総称で、社内に蓄積するあらゆるデータを収集して分析・加工し、経営戦略のための意思決定を支援するものです。
BIは、企業内に分散したさまざまなデータを統合し、価値ある情報へと変換して提供するための仕組みです。
具体的には、クラウドやデータベースに蓄積された顧客情報などの膨大なデータを収集し、専門知識を持たないユーザーでも簡単にデータ分析を行える環境を構築します。分析された最新のデータは、ダッシュボード上にグラフやレポートとして分かりやすく可視化・表示され、ビジネス全体の現状把握や課題の早期発見に役立ちます。これにより、経営層から現場の担当者まで、誰もがデータに基づいた的確な意思決定を行うことが可能となります。
BIツールが普及した背景として、データ基盤が急速に整備され始めたことが挙げられます。これにより、企業が膨大なデータを保有することが一般化しました。さらにシステムの分析性能が向上したことで、BIツールは多くの企業に普及していったと言えます。
このように、データの検索や複雑な集計作業を効率化し、企業のビジネスをサポートするプラットフォームとして、BIの利用は必要不可欠となっています。ただし、ここで押さえておきたいのは、BIはあくまでも「人間の意思決定を支援するためのツール」であるという点です。BIを活用して得られた分析結果をもとに、最終的な判断を下して行動に移すのは人間です。この特徴は、以下で解説する「AI」との決定的な役割の違いを理解する上で、非常に重要なポイントとなります。
AIとは?
AIとは「Artificial Intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス)」の略で、「人工知能」と訳されます。「人工」とは、人間によって作られたという意味であり、人間が持つ「知能」と差別化された表現となります。
そもそもAIは、1956年に米国の計算機科学の研究者であるジョン・マッカーシー氏が初めて使った言葉といわれています。
AIに明確な定義はなく、広い概念として、「人間の思考プロセスと似た形で動作するプログラム」「人間が知的と感じる情報処理・技術」などと捉えられています。
AIは大きく3つのブームを経て発展してきました。コンピュータによる「推論」や「探索」ができるようになった第一世代から、第二世代では「知識」(推論するための情報)を人間が与えることで、実用化されました。そしてビッグデータという大量のデータを用いることでAIが自ら知識を獲得する「機械学習」の仕組みが実装されたのが第三世代です。やがて知識を定義する要素をAIが自ら習得する「ディープラーニング(深層学習・特徴表現学習)」が登場しました。
現在では、第一世代から第三世代までのあらゆる技術を組み合わせた仕組みがビジネスで活用されています。
これら最先端のテクノロジーをベースとしたAIは、人間には到底扱いきれない膨大なデータソースを迅速に処理し、過去の販売実績や複雑な市場の傾向から、精度の高いシミュレーションや予測を行うことが可能です。例えば、複数部門にまたがるデータセットを読み込んで商品の最適な在庫プランを設計したり、システムの異常な状態を早期に検出して品質の低下を防ぐといった取り組みが、今やあらゆる業種において不可欠なものとなっています。
さらに、従来は一部の高度なスキルを持つ専門家に頼るしかなかったデータの評価や分析も、AIのサポートを受けることで、より具体的で根拠に基づいた施策の策定へとつなげることができます。人間が事前の細かなカスタマイズを行わなくても、AI自身がデータ内の隠れたパターンを見つけ出し、自律的に継続的な改善を図るため、企業の大幅なコスト削減や新たな利益を生み出す強力な推進力となります。
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BIとAIの違いとは?
BIとAIとはどのような違いがあるのでしょうか。それぞれの違いを解説します。
◆分野の違い
使用される分野や領域が異なります。BIはビジネスに使われるものですが、AIはビジネス以外でも広く活用されています。
BIはBIツールとして各企業にシステムとして導入され、主に経営や事業の意思決定に役立てられているのが一般的です。一方でAIは、ビジネスの分野では工場における不良品検知などの業務効率化を支援するシステム、チャットボットなどのお問い合わせ対応システム、クレジットカードの不正使用検知などのセキュリティ関連システムなどに役立てられています。
最近では、OpenAI社によって公開された人工知能を使ったチャットサービスであるChatGPTが、人間と同等、もしくはそれ以上の高精度な回答ができると評判になっており、すでに文書作成や翻訳、分析、問い合わせ対応など多様な用途で活用されています。
また生活分野では 車での自動運転における画像解析や判断、予測や、お掃除ロボットの物体認識、翻訳ツールであるGoogle翻訳における文脈判断、Apple社のiPhoneやiPadに搭載された「Siri」、Amazon社の「Alexa」などのバーチャルアシスタントにおける音声認識や自然言語理解など、幅広く活用されています。
◆目的の違い
BIは、データを可視化、分析することで人間が意思決定を支援することを目的としており、AIは、基本的に人間は介在せず、AIによる推論判断に任せ、その結果を何らかの形で活用することを目的としています。BIは人間が意思決定と行動を取るための支援的な役割を担う一方で、AIは人間の知的行動を代替するような役割を担います。
ビジネスインテリジェンスという名称の通り、BIは事業全体や特定のチームの状況を正確に把握し、目標達成や業務改善に向けた計画を立てるためのソフトウェアです。クラウドなどから取得した最新データを変換し、リアルタイムに共有することで、人間の分析作業を大幅に効率化します。
対してAIは、ユーザーからの質問に自動で回答したり、新しいテキストやコンテンツを自律的に生成したりと、高度なITスキルや専門知識が求められる知的作業そのものをシステムが代行します。BIはあくまで人間の良きパートナーとして思考をサポートする存在であるのに対し、AIはあらかじめ施された設定を超えて自らが判断を下し、タスクを完遂する点に根本的な違いがあります。
◆視覚化工程の有無による違い
BIは人間が意思決定をするために、分析結果を視覚化する機能を持つ点に特徴があります。目的は人間に的確な意思決定を支援することですから、見やすければ見やすいほど、またわかりやすければわかりやすいほど、その目的は達成できるというわけです。
BIは、複雑な数値の羅列を直感的なグラフやレポートへと変換し、Webページなどの画面上に美しく表示します。これにより、データアナリストのような専門レベルの画面構成やデータ抽出作業に時間をかけなくても、あらゆるユーザーが必要な情報を瞬時に理解し、迅速な経営判断へと繋げることができます。
一方、AIは基本的に視覚化という要素はありません。しかし最近では、生成系AIの登場によって、画像や動画など様々なものを生み出すことできるようになっています。この進化は目覚ましいものがあり、今後さらなる発展が期待されています。
このように情報を「見せる」ことに特化したBIに対し、従来のAIは裏側での計算やデータ処理が主役でした。しかし現在では、AIがデータ分析の結果を要約した記事を作成したり、ユーザーの指示に応じて教育用の視覚資料を自動出力したりと、AI自身が視覚的なアウトプットを行う機会も急速に増えています。
最近では、これら両者の得意分野を掛け合わせたソリューションの導入も多くの企業で進んでいます。
BIツールにできることとAIにできること
BIツールにできることと、AIにできることには、それぞれ次のようなことがあります。
◆BIツールにできること
・基幹系システムとのデータ連携
BIツールは、社内の基幹システムや業務システムなどから、BIツールで使用するデータを「ETL」によって適切な形に加工した上でデータベース(DWHやデータマート)に格納し、そのデータをBIツールで呼び出し可視化します。BIツールを利用すれば、社内に散在するデータを連携し分析し可視化することが可能です。
通常、複数の場所に散在するデータソースからの移行や準備は専門家でなければ難しい作業ですが、BIツールの機能を活用することで担当者でも簡単に最新のデータへと更新し、大規模なエンタープライズデータとして集約できます。
・分析・集計
BIツールが集めてデータベース化したデータは、分析や集計に使われます。分析の手法として代表的なのは、OLAP(オンライン分析処理)やデータマイニングがあります。
OLAPはさまざまな角度から分析・処理する方法です。データマイニングは、大量のデータから統計学などの分析手法を駆使して、知見を採掘するかのように見出す技術です。
これらの分析手法を通じて意思決定に役立つ分析結果を提示します。
・レポーティング・データの可視化
分析結果はレポートとして出力できます。また画面上でデータが可視化されるダッシュボード機能は、意思決定を支援するBIツールに欠かせないものです。
・専門知識不要でのデータ活用
LaKeel BIのような一部のBIツールには、専門的なプログラミングの知識不要で、直感的に操作ができる機能が搭載されています。これにより、経営層だけでなく現場の担当者自身がBIツールを利用して自由な分析を行い、迅速な課題解決を図ることが可能です。
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◆AIにできること
・膨大な量のデータの処理
AIはビッグデータのような膨大な量のデータを処理することを得意とします。
・機械学習による性能向上
AIを支える重要な機械学習の機能は、AIそのものの性能向上を実現します。普通のシステムやロボットがプログラミング実装されたことを繰り返すのみに留まるのに対して、AIは自ら成長していくことができます。
・パターンや相関関係の発見
AIがデータ分析を行う際には、データ内におけるパターンや相関関係の発見が可能です。人間が処理しきれない膨大な量のデータからパターンを抽出してわかりやすく分類したり、人間が思いつかないような視点でデータの共通性や類似性、関係性を見出したりすることができます。
・意思決定と実行
AIは自ら意思決定ができます。さらに、その意思決定に基づいた実行も可能です。例えばデータ分析結果から、「どのように行動すれば最善の結果が得られるか?」を導き出し、それを判断材料として自ら行動に移し、処理を実行します。
まとめ
本コラムでは、BIとAIの違いや、それぞれが得意とする役割についてご紹介しました。
BI・AIどちらも特有の機能や得意なことが異なります。ビジネスの現場でデータを有効に活用していくためには、 BI・AIそれぞれの利点をうまく活かす形で活用していくことが重要になるのではないでしょうか。
そのためには、社内に散らばる膨大なデータを「集めて整理する仕組み」と、それを人間が理解しやすい形に「可視化して分析する仕組み」の両方が欠かせません。
ラキールでは、データ集めから日々の分析業務までをスムーズに実現し、皆様の意思決定をサポートする2つのサービスを提供しています。
◆LaKeel Data Insight(データの統合・管理基盤)
社内外に点在するあらゆるデータを一つに集約し、一元管理できるシステムです。最大の特徴は、対話型のAI機能(LaKeel AI Discovery)を搭載している点です。
専門的なプログラミング知識がなくても、AIに普段の言葉で指示を出すだけで、必要なデータの検索や面倒な集計作業をAIが代わりに行ってくれます。
◆LaKeel BI(データの分析・可視化ツール)
集めたデータを分かりやすいグラフや表で表示し、現場の担当者から経営層まで誰もが分析を行えるツールです。日本のビジネス現場に合わせて作られており、Excelに近い使い慣れた操作感と、業務にすぐ使える豊富なテンプレートを備えています。
さらに、画面上のAI(LaKeel BI Concierge)にチャットで問いかけるだけで、グラフから読み取れる課題の原因や、次に取るべき行動のヒントをAIが教えてくれます。
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