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データ分析基盤構築ガイドブック

ETLとは?仕組み・必要性からツール選定のポイントまで徹底解説!

BIツール活用例
近年、市場や環境変化が激しく、また変化のスピードも加速していることから、データによる経営状況の把握や、市場および顧客行動を分析する必要性が増しています。
またデジタル変革を進める「DX(デジタルトランスフォーメーション)」を加速する必要もある中、より一層、企業はデータ活用を強化する必要があります。
社内の各システムが保持する膨大なデータを活かすために、ETLの仕組みを備えたデータ分析基盤の構築が有効です。
今回は、ETLの概要や機能、必要性、メリット・デメリット、仕組みと手順、ETLツール選定のポイント、導入の成功事例をご紹介します。

ETLとは?

ETLとは、「Extract(抽出)」「Transform(変換)」「Load(書き出し・格納)」の頭文字を取ったもので、データ統合時に発生する各プロセスのことを指します。

昨今の経営やビジネスにおいては、大量の情報から有益な知見を得て、意思決定を進めていく流れが定着しています。効率的に実施するためには、社内に存在する様々なデータベースやシステムが保持する複数のデータを一元化し、分析した上で、活用できるようにする必要があります。

ETLは、そのデータ分析の前段階の仕組みです。社内の各システムからデータを抽出し、利用しやすいフォーマットに変換処理をして、一箇所に格納するまでの流れです。

その後、データを分析するために「DWH(データウェアハウス)」に再編成します。DWHとは、データ分析に特化したデータベースの一種で、時系列でデータが蓄積されていくのが特徴です。DWHに蓄積されたデータは、BIツールなどを通じて分析・可視化し、活用を進めます。

ETLツールの必要性

ETLの仕組みを整えるためには、一連の作業を自動的に行ってくれるETLツールを活用することが有効です。

データ分析基盤を構築する際、ETLツールは次のような点で必要であるといえます。

1開発なしでデータ統合を行うため

従来、データ統合を行う際には、ETLの専用プログラムをプログラマやエンジニアがシステムごとに開発・構築する必要がありました。一方、ETLツールがあれば自動でデータの抽出や変換、書き出し・格納を行い、データを統合してくれるので、スピーディーかつ開発なしでETLを実装できます。昨今のIT人材不足や開発工数やコストの削減のためにもETLツールは便利です。

2データ品質を向上させるため

データ品質は分析結果を大きく左右します。特にデータ活用を中心に経営の意思決定を進めるデータドリブン経営にとっては、重要性が増します。

ETLツールを利用すれば、各システムのデータ形式がバラバラであっても、データの重複や誤り、表記の揺れなどを自動で修正します。そのため、精度の高いデータの統合が可能になります。

3BIツールとの連携を容易にするため

ETLでデータを整えた後は、分析を行うためにBIツールと連携させるのが一般的です。BIツールとは、膨大なビッグデータを分析し、可視化することで価値のある情報に変換し、経営や現場の意思決定を加速させるシステムを指します。

ETLツールとBIツールを連携させれば、スムーズにデータ集約から加工、分析、可視化の仕組みを構築できるようになります。

また、BIツールにETL機能が備わっていることもあります。さまざまな種類のデータを統合し、自由な分析・レポートで可視化できるBIツールであれば、なお便利です。
例えば、ラキールのBIツール「LaKeel BI」には、ETL機能が備わっています。サービスの詳細については後ほどご紹介します。

企業の意思決定を迅速化するBIツール「LaKeel BI」

4セキュリティ性向上・データガバナンスの必要性

ETLツールを活用することで、人が手作業でデータを抽出、加工する必要がなくなります。手間が削減されるのはもちろんのこと、データの誤変換や紛失、漏洩といったヒューマンエラーのリスクも低減します。
結果的に、データ活用におけるセキュリティ性が向上し、データガバナンスを強化できます。

ELTツール・EAIツールとの違い

ETLツールに似たツールに、ELTツールやEAIツールがあります。それぞれの定義と違いを解説します。

ETL Extract・Transform・Load 複数システムからデータを抽出後、先に変換を行った上でDWHへ格納する
ELT Extract・Load・Transform 複数システムからデータを抽出後、先にDWHへ格納を行った上で変換する
EAI Enterprise Application Integration 複数システム間のアプリケーションを統合させることでデータ連携する

ELTツールとは

ELTツールとは、「Extract(抽出)」「Load(書き込み)」「Transform(変換)」の仕組みを持つツールです。ETLツールと同様にデータ分析の前準備のプロセスを担います。

ELTツールでは「抽出」「格納」を先に行い、その後に「変換」をDWHなどの蓄積先のデータベースで実行します。SnowflakeやBigQueryのように並列計算が得意なデータベースのサービスでは、大量データでも高速に変換できる利点があります。

すべての生データを一度保管するため、容量計画とアクセス権管理が重要になりますが、後から別の切り口で集計したい場合も、柔軟に対応できます。

一方、ETLツールは「抽出(Extract)」した後、先に「変換(Transform)」を行ってから「書き出し・格納(Load)」を行います。つまりELTツールとは、変換と書き出し・格納の順番が異なります。ETLツールの仕組みについては後ほど詳しく解説します。

日付形式の統一や不要列の削除などをツール内エンジンが担当し、画面上で流れを組み立てられるメリットがあります。また加工済みデータだけがDWHに入るので、比較的、軽量に保てます。一方で、データ変換の質についてはツール側の処理能力に依存します。

EAIツールとは

EAIツールは、データ分析ではなく業務アプリ同士の即時連携を目的とするものです。EAIは「Enterprise Application Integration」の略称で、「企業アプリケーション統合」などと呼ばれます。

例として受注情報を在庫システムへ瞬時に届けるなど、1件単位のメッセージ交換が可能で、通信エラー時の再送やトランザクション(※1)制御の詳細設定が可能です。SOAP、REST、MQといった多様なプロトコルを扱えますが、数百万件をまとめて変換するといったバッチ処理は得意ではありません。

※1 トランザクション:複数の処理をまとめて一つの処理として実行・管理する仕組みのこと。

データ分析基盤を整えるならETLツールかELTツール、リアルタイム業務連携ならEAIツールが適します。

また蓄積先のデータベースの計算力を活用したい場合はELTツール、外部でしっかりデータを整形してからデータベースへ渡したい場合はETLツールを選ぶと良いでしょう。

EAIツールは、システム間のデータ連携をスピーディーかつリアルタイムに行いたいケースに向いています。

ETLツールのメリット・デメリット

ここで、改めてETLツールのメリットとデメリットを確認しておきましょう。

メリット

・開発不要で手軽に整理ができる
ETLツールは先に述べた通り、プログラミング開発なしでETL機能をすぐに実装できるため、誰もが手軽にデータ抽出と加工を始められます。

・社内に存在するデータを統合できる
社内に存在するシステムのデータを効率的に抽出し、統合しながらデータ分析に回せる点がメリットです。データ分析の活動を効率化させてくれます。

・データ品質の向上が見込める
ETLツールは、データの変換や加工を効率的に行ってくれます。データの検証機能も有するため、正確性や一貫性といったデータ品質を高める条件が揃います。

・ヒューマンエラーを削減できる
ETLツールはデータの欠損や重複などの除去を効率的に行ってくれるため、人がデータに触る機会が減り、情報漏洩や紛失などのリスクが抑えられます。

デメリット

・最低限のデータ分析、活用の知識が必要
ETLツールを導入する際には、専門知識が少なくて済みますが、最低限のデータ分析や活用の知識は必要になります。ETLの概念はもちろんのこと、SQLの知識があれば、よりデータ活用の効果を出しやすくなるでしょう。

・導入と運用コストがかかる
ETLツールは、導入や運用コストがかかってきます。運用費としてはライセンス費用やメンテナンス費用などがあり、クラウドサービスの場合、月額料金を払い続ける必要があります。投資対効果や費用対効果で考える必要があるでしょう。

・ツールによって操作方法等が異なる
ETLツールと一口に言っても様々な種類があります。そのため、使い勝手を事前に確認したり、他の複数のツールを比べたりすることは欠かせません。ツールによっては、導入後に学習の機会を設ける必要もあるでしょう。

ETLツールの仕組みと手順

ETLツールの仕組み

ETLツールの仕組みを詳しく見ていきましょう。

ETLツールは、散らばったデータをまとめて使いやすくする自動の仕組みです。流れは大きく三段階に分かれます。

1. 「抽出(Extract)」
販売システムや表計算など各所から必要な情報だけを抜き取ります。

2. 「変換(Transform)」
日付の書き方をそろえたり、同じ商品名を統一したりして、内容を整理します。

3. 「書き出し・格納(Load)」
整えたデータを分析用のデータベースやクラウドに送ります。

人が手作業で行えば時間がかかり、タイピングミスが生じることもありますが、ツールに流れを登録しておけば決まった時刻に自動実行し、失敗時は通知してくれるため、運用負荷を抑えられます。処理手順が画面で可視化されるので、途中で問題が起きても原因をたどりやすい点もメリットです。

ただし、多くの製品は一括処理型のため、ほぼリアルタイムに更新したい場面では別の仕組みが必要になることがあります。また、接続できるシステムの種類や料金体系は製品ごとに異なります。導入前に、自社のデータ源と目的地が対応しているか、処理量に見合った価格か、保守体制は十分かなどを確認することが大切です。

ETLツールの発展形

近年注目されているETLツールの発展形を2つご紹介します。

・リバースETL
リバースETLとは、DWHから他のツールにデータを戻すことで、深い分析や活用を可能にするツールです。一度、各システムから集めたデータをETL処理した上で、DWHに格納・蓄積します。その後、DWHに蓄積された整形されたデータを、マーケティング部門へ渡すことにより、マーケティング活動にデータを活用することが可能になります。

・AI活用前処理としてのETL
近年はAI(人工知能)の活用が進んでいますが、AIに社内のデータを学習させることで、生成したり、分析したりする方法がよく採用されています。この場合、データはAIに処理させる前に必ず整理・加工しなければなりません。そのようなときにETLツールが役立ちます。

しかし、ETLツールはリアルタイム性が求められる異常検知などの処理には不向きであるため、他の方法でデータの前処理を行うこともあります。AIの活用、用途などに応じて、ETLツールを利用するか検討する必要があります。

ETLの3つの手順

次に、ETLの3つの手順について詳細を確認していきましょう。

1.Extract(抽出)
データ抽出のプロセスです。社内にあるデータベースからデータの抽出を行います。このとき、データの利用目的を加味すると、どのようなデータを抽出するのかが自ずと決まってきます。

抽出の方法は、どこからデータを持ってくるかによって変わります。データベースから持ってくる場合、SQLというデータベース言語を使います。また、WebサービスなどのAPI(※2)からのデータ取得の場合は、RESTやSOAPといったプロトコルを使用して取得します。このようにデータ取得元によってフォーマットが異なることから、柔軟に対応し、自動抽出するETLツールは非常に役立ちます。

※2 API:Application Programming Interfaceの略。アプリケーションやソフトウェア同士をつなぐインターフェースのこと。

2.Transform(変換)
次は変換のプロセスです。ここでは、DWHに書き出しやすいように、一定の規則に則って、データの変換・加工を行います。多くのデータは規則的に整っておらず、並べ替えたり、クリーンアップしたりと、整理整頓する必要があります。

例えば不要なレコードの除外、欠損値や誤ったデータの修正、データ型の変換、合計や平均等の計算・集計、複数のテーブルやファイルの結合、指定したルールの適用などを行います。

「Extract(抽出)」のプロセスで、すでにDWHに書き出しやすいデータ形式になっていれば、変換のプロセスは不要です。

3.Load(書き出し・格納)
最後は、変換したデータをDWHへ書き出すプロセスです。

DWHに格納する際には、全データを上書きするのか、それとも新しいデータが格納されるたびに追加または修正するのかを選びます。

DWHのインポート機能を使うほか、ETLツールのLoad機能を利用して、データの書き出しと格納を行う方法もあります。

ETLツール選定のポイント

ETLツールを選定する際に押さえておきたいポイントをご紹介します。

対応しているデータソースの種類

ETLツールで抽出できるデータソースやデータ形式は、ツールごとに決まっているため、対応しているかどうかを確認しましょう。例えば、SQLやクラウドストレージ、ExcelやCSVなどのファイルなどがあります。ツールによっては100~1000種類以上に対応していることがあります。

コスト

先述の通り、ETLツールの導入や運用にはコストがかかります。費用対効果を検討する際にポイントとなるのは、料金体系です。

クラウドサービスの場合、データ転送料や稼働時間ごとなどの課金方式によって費用が変わってくるため、よく確認しましょう。またクラウドサービスは導入コストを抑え、運用コストがかかります。買い切り型の場合、導入コストはかかるものの、運用コストは最低限に抑えられる可能性があります。

またDWHやBIツールなども同時に導入し、データ分析基盤を構築する場合は、トータルコストを検討する必要があるでしょう。

専門知識の必要性やUI

ETLツールは、専門知識が全くなくとも、直感的な操作で利用できるUI(ユーザーインターフェース)を備えたものから、高度な知識を持つプログラマーやエンジニア向けに
作られているものまでさまざまです。現在はノーコードかつ直感的な操作感で扱えるものが増えています。よく比較しながら、最適なものを見つけましょう。

ETLはDX(デジタルトランスフォーメーション)の促進に必要不可欠

ETLツールの導入などを通じてデータ分析基盤を構築することは、DX(デジタルトランスフォーメーション)を促進させる第一歩といえます。

DXを成功させるベースとなるデータ活用を進めるには、データの効率的な統合・整理=ETLを避けては通れません。

変化の少ない環境では、データを収集・分析するよりも、業界経験豊富な経営者や従業員の感覚に基づいてビジネスをすることは一定の合理性がありました。

しかし、変化が激しく予測もしにくい現代においては、日々のビジネスの現場からデータを拾い上げ、勘や経験に頼らず、客観的かつ定期的に把握することが欠かせません。そして経営やビジネス上の意思決定、戦略立案に活かすことが、企業の競争力を維持し、生き残るために重要です。

BIツールの重要性

DXを促進するために必要なデータ分析基盤は、ただデータ分析の仕組みを整えるだけでは不十分です。

DXを全社的に行っていくためには、データ分析結果をいかに社内で共有できるかが重要です。その際にBIツールが役立ちます。

BIツールは、データ分析の後、グラフなどでわかりやすくビジュアライズされた状態で可視化できます。DX時代のデータ活用には、BIツールは必要不可欠といえます。

企業のデータ活用は「LaKeel BI」

ETLの仕組みをDXおよび経営に活かしていくには、ETLツールとBIツールの連携が有効です。特にBIツールにETL機能が備わっているものは、時代の流れに最も合っていると言えるのではないでしょうか。

BIツールの中でも、セルフサービスBIは、エンドユーザー自身で分析やレポートの作成が可能です。専門知識や専門人材が不要で、どの部署や部門の担当者でも
取り扱えるため、まさに現代ニーズに合致したBIツールといえるでしょう。

セルフサービスBIの中でも、おすすめなのがラキールの「LaKeel BI(ラキール・ビーアイ)」です。

「LaKeel BI」とは?

分析に必要なデータの集計から統合、分析、可視化を一つで実現するオールインワンパッケージのツールです。データの可視化はもちろんのこと、AI活用により、洞察や考察を巧みに導き出し、単なる可視化にとどまらない、確度の高い仮説検証や戦略立案が可能になります。その結果、確実に実行フェーズを後押しします。

「LaKeel BI」のETL機能

LaKeel BIにはETL機能が備わっています。収集するデータは、基幹システムや情報系システム、Excel・CSVなど形式を問いません。様々な種類のデータを統合することが可能です。

> 統合データベース構築(ETL機能を利用) LaKeel BIの機能

「LaKeel BI」によるデータ分析と可視化による成功事例

「LaKeel BI」を導入した企業が、ETL機能を含めた活用により、データ分析と可視化を成功させた事例を一つご紹介します。

課題

ある建設会社は、人事部において課題を抱えていました。
従業員の働きがいや働きやすさと、利益の獲得を同時に達成する会社となることを目指す中、従業員の実労働時間をタイムリーに把握する仕組みがない点や、人事関連データが分散し、業務が複雑化している点が課題となっていました。

解決策

解決策として「LaKeel BI」を導入しました。人事システムと連携し、ETL機能によってデータベースやExcelなど多様なデータを取り込める点が選定の決め手の一つとなりました。

「LaKeel BI」は表現力豊かなダッシュボード機能が優れているため、人事データを元にした勤務状況がわかりやすく可視化できました。また所定外労働時間等の勤務情報を様々な切り口から分析し、確認できるようになりました。

導入後の変化

実践に即した施策を進められるようになり、労働時間の適正化や所定外労働時間の抑制へとつなげる取り組みが強化されました。

また、従来と比べて集計やダッシュボードによるアウトプットの確認・分析が容易になったことから、省力化も実現しています。

【関連リンク】
> 前田建設工業株式会社様

まとめ

ETLは、データ分析基盤を構築する際に重要になる仕組みです。DXやデータ活用を推進する際にはメリットが多いことから、導入検討の余地があります。

また、効率的にETLを導入するには、ETLの機能の備わったツールがおすすめです。今回ご紹介した「LaKeel BI」は、社内の誰もが手軽に分析や確認を行えるセルフサービスBIです。データ分析文化を社内に浸透させる際には、ぜひ「LaKeel BI」をご検討ください。

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