BIツールとERPを連携させてデータを有効活用!
ビジネスにおけるデータ活用が進む中、近年、社内のあらゆるシステムを統合するERPと経営の意思決定などに役立てるBIツールを連携させ、データを有効活用する方法を採用する企業が出てきています。BIツールとERPを連携させることにより、どのような効果が得られるのでしょうか。
今回は、BIツールとERPの連携の概要から連携させるメリット、連携させた事例、連携させるときの注意点をご紹介します。
BIツールとERPは連携できる?
BIツールとERPは連携させて活用することができます。まずはBIツールとERPそれぞれの意味を確認しておきましょう。
◆BIツールとは
BIツールとは、企業が持つさまざまなデータを分析・可視化して、経営や業務に役立てるソフトウェアのことを指します。これによりビジネスの意思決定に関わる情報である「BI(Business Intelligence/ビジネスインテリジェンス)」を経営や実務に役立てることができます。
BIツールは、社内にあるさまざまなデータを一ヶ所に集めて加工し、分析した上でダッシュボード上に可視化するまでの工程を含むシステムです。
多くの企業では、経営分析・財務分析、営業分析・売上分析、人事データ分析、残業分析など、さまざまなシーンで活用されています。
◆ERPとは
ERPとは、「Enterprise Resource Planning(企業資源計画)」の略で、統合基幹業務システムなどと呼ばれているシステムです。
一般的には、企業の基幹となる業務を管理するシステム、例えば会計管理システムや人事給与管理システム、販売管理システム、在庫管理システム、生産管理システムなどを統合し、データの一元化を図りながら効率的に管理するシステムを指します。
ERPは製品によってその機能は大きく異なり、クラウド型・オンプレミス型、既存製品利用・オーダーメイドなど種類もさまざまです。
データを一元化するという意味で、BIツールと似ているイメージがありますが、BIツールはデータを加工・分析して可視化することで意思決定に役立てるのが目的である一方で、ERPはデータの統合管理を主な目的とする点が大きく異なります。
それぞれの特長を生かすことができるため、ERPのデータをBIツールに取り込むことで、新たな活用の方向性が広がるといえます。
BIツールとERPを連携させるメリット
BIツールとERPを連携させることによって生まれるメリットを具体的に確認していきましょう。
◆データの可視化による業務効率化・属人性低減
BIツールとERPを連携させることで、ERPによって統合されたデータをもとに、BIツールによって現場の状況の可視化を行うことができます。BIツールでは、通常、ダッシュボード上でグラフや表で視覚的に分析結果を表示できるため、一目見ただけで、今どのような状況にあるのかを、データ分析の専門知識がなくとも知ることができます。
現場の状況をリアルタイムに可視化することは、業務効率化につながります。例えば製造業であれば生産管理や在庫管理、人員稼働数などの現状を知ることで、リソース配分や在庫管理のコントロールが容易になります。
また、これまでベテラン社員の勘や経験に頼ってきた現場の管理も、BIツールによる数値データによる可視化によって客観的な判断が容易となるため、属人性の低減が期待できます。
◆BIツール上でERPのデータを活用して分析が可能になる
BIツールを用いることで、ERP単体では不可能だった各部署にあるデータの横断的な分析が容易になります。
例えば、経営的視点で業績低迷や離職率の低下などの課題の原因をとらえる際に役立ちます。これはERPによって各システムを横断した全体的なデータを活用して、BIツール上で分析することが可能になるためです。
その結果、これまで気付けなかった問題点に気付くことができる可能性が高くなり、課題の解決に役立たせることができます。よって、より経営に役立つといえるでしょう。
これらのメリットから、経営スピードやデータ活用の幅が広がり、現場の業務効率化にも寄与すると考えられます。
ERPとBIツールを連携させた事例
実際に、ERPとBIツールを連携させることで、データ活用をうまく実践している事例をご紹介します。
◆紙による管理の脱出
あるグローバル企業は、海外拠点の管理強化を目的にERPシステムを導入しました。海外拠点の管理を強化が大きな理由です。
ただ、ERPを導入しデータが蓄積されているものの、グラフ化などの可視化がされておらず、会議などでは紙ベースの資料を使い、複数拠点の状況把握をしていました。ここで見えてきたのは必要な情報を迅速に把握できず、管理効率が低いという課題です。この問題に対処するため、ERPシステムと連携可能なBIツールを導入。
BIツールとERPの連携により、ダッシュボード上でデータを可視化することが可能となり、多様な情報を迅速に確認できるようになりました。これにより、管理業務の効率化を実現することとなったのです。
◆現場の営業担当者による統合情報の可視化
ある企業では、営業部門の現場の営業担当者が、ERPと連携したBIツールを活用しています。
ERP上のプロジェクトや発注情報などのデータをBIツールに取り込み、さまざまな切り口で分析した後、仕入先や商品ごとの仕入れ額や売上額をグラフィカルに可視化するなどしています。その結果、これまで気付きにくかった傾向や課題の発見に役立ち、現場レベルでの改善につなげられています。
ERPとBIツールを連携させるときの注意点
ERPとBIツールを連携させることは、多くのメリットを享受できる一方で、導入時や運用時には注意点もあります。連携を検討している場合には、ぜひあらかじめ次のことを押さえておきましょう。
◆BIツール導入の目的を明確にする
BIツールは、それ単体で即時業務を自動化したり、効率化したりするものではありません。データを分析した上でそれを可視化するためのツールであり、使う人がいかに活用するかによって存在意義が大きく変わってきます。
そのため、BIツールはERP連携するときはもちろん、一般的な導入の際にも、目的を明確にすることが重要です。どのような目的で、どのように活用するのかを具体的に検討する必要があります。目的が明確であれば、導入後の運用時にも目的達成のために有意義な活用ができるでしょう。
◆データを確保する
BIツールを活用するには、データがなければ始まりません。目的に応じて、ERPに蓄積されたデータが確保できているかを十分確認しておく必要があります。もし不足しているデータがあれば、そのデータをいかにして収集するかも合わせて検討しましょう。
◆BIツールによる分析の体制づくり
前述の通り、BIツールはただ導入するだけでなく、いかに活用するかという点が重要になってきます。単にERPと連携させるだけでは業務の効率化はできません。社内におけるBIツール活用のための体制をつくり、全社展開することでその効果を最大化することができます。
◆連携性の確認をする
BIツールとERPを連携させるには、専門知識が必要です。またシステム同士の相性もあるため、導入するシステムを選定する際には連携性をよく確認する必要があります。ベンダーに相談するなどして、綿密な計画の下、連携を進めていきましょう。
まとめ
BIツールとERPを連携させることにより、これまでできなかった分析が可能になり、新しい気付きやビジネスの可能性がさらに生まれてくるでしょう。
BIツールをERP連携させて利用する際には最適なBIツールを選定するのをおすすめします。
弊社が提供するLaKeel BIはBIや分析に関する知識がなくても、膨大なデータと豊富なテンプレートから様々な課題に対する解決策を、複数のユーザーが探索できる分析ツールです。
豊富なテンプレートと手厚いサポートを備え、分析業務がはじめてのスタッフでも使いこなせるのが特徴です。
ERP連携のご相談にもご対応いたしております。ぜひお気軽にご相談ください。
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「ビッグデータ」や「IoT」などの言葉の普及とともに、
「データをビジネスに有効活用し、企業の成長を加速させよう」というメッセージが
多く出回っています。
企業の持つさまざまなデータを有効活用するためには、BIツールは大変役立つツールです。
しかし、BIツールを使いこなし、データを事業成長に活かすことができている企業は
決して多くないというのも、一方では事実です。
実は、BIツールを有効活用するための出発点は、導入時にあります。
「BIツールで何を実現しようとするのか不明確だった」
「ツール選定時に、機能チェックの見落としがあった」
「導入に気を取られ、運用についてまで確認しきれなかった」
導入時に行うべき検討を十分に行わなず、導入後に「こんなはずじゃなかった・・・」と
後悔しても、後の祭りです。
本資料では、BIツールを導入する際に検討しておくべき13のチェックポイントをご紹介します。
ぜひ、貴社のBIツール選定にご活用ください。
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