
経営ダッシュボードのメリットと作成ポイントとは?
日々、膨大なデータが生まれており、もはやそのデータなくしてはビジネスをスムーズに進行させることはむずかしい時代です。各企業は、いかにビッグデータを活用し、経営に役立てられるかが重要になっています。そこで助けになるのが、経営ダッシュボードの存在です。
今回は、経営ダッシュボードのメリットと、経営判断に役立つ作成のポイントを解説します。
経営判断を遅らせるビッグデータの課題
企業は経営にビッグデータを活用するのが一般的になってきていますが、同時に、多くの企業は次のような課題に直面しています。
①社内に散在するデータが統合されていない
ビッグデータを経営に、真の意味で役立たせるためには、一部のデータだけでは到底難しくなります。社内にある全データを統合したものでなければなりません。
しかし、多くの企業では、社内のあらゆるデータを連携・統合することができていません。その原因として、売上データ・財務データ・人事データなどなど、それぞれのデータ同士の整合性が取れていない、低品質なデータの存在などが挙げられます。
②「見える化」する仕組みがない
社内のあらゆるデータを統合し、それを「見える化」できる仕組みが整っていないのも課題の一つです。経営戦略を立案するには、常に最新情報を参照し、迅速な判断のできる「見える化」されたデータが必要になるのです。
迅速な経営判断を実現する経営ダッシュボードとは?
そうしたビッグデータの課題を解決するのが、経営ダッシュボードです。
ダッシュボードとは、様々な情報・データから、重要な情報を統合し、ピックアップして表示する画面のことです。
個々に作成したグラフや集計表などを、一画面にまとめて表示し、一つ一つのデータを参照しに行く手間が省ける上に、パッと見ただけで、グラフ同士を対比させることも容易になるため、より情報が伝わりやすくなります。
例えば、経営層向けに、商材ごとの売上金額と売上推移、顧客の情報などを伝えるために作られたダッシュボードは、経営ダッシュボートと呼びます。
経営ダッシュボードは、スピードと正確さが求められる経営判断に大きく役立ちます。
経営ダッシュボードの目的とメリット
経営ダッシュボードの目的とメリットを見ていきましょう。
①目的
経営層がリアルタイムで必要な経営戦略を立て、実行できるための判断に使用することが目的です。社内に散在するあらゆるデータを統合し、「見える化」されている、“会社の今”を端的に表すボードといえます。
②メリット
「見える化」されているので瞬時に状況が把握できる
データであれば、統合された数値データをエクセルの表で見るのと変わらないと思われがちですが、同じ数値でも、グラフを用いて一覧で統合表示するのとでは大きく変わります。また、数値同士の比較も、グラフを用いれば一目瞭然で、気づかなかった情報にも気づける可能性もあります。迅速な判断を求められる経営層にとって「見える化」されていることは、大きなメリットです。
リアルタイムに更新される最新情報を把握できる
経営ダッシュボードは、常にリアルタイムに更新されるため、最新情報に基づく経営判断が可能になります。
KPIの追跡が容易
経営目標においては、KPIを設定することは一般的となっていますが、そのKPIを追跡することも欠かせません。経営ダッシュボード上でもKPIが常に追えるようになっていれば、経営目標の達成にも貢献します。
優れた経営ダッシュボード作成のポイント
経営ダッシュボードは、経営判断を左右する会社にとって非常に重要な存在といえます。その経営ダッシュボードは、どのように作成するかによって、企業の命運が決まってくるといっても過言ではありません。
そこで、正確かつ優れた経営判断を促す経営ダッシュボード作成のポイントを見ていきましょう。
①必要な情報が網羅されているか
ビッグデータの課題の段落でも言及しましたが、社内データが抜け漏れなくすべて統括され、さらに正確性、リアルタイム性を備えた上で、必要な情報が網羅されているか、ということは経営ダッシュボードの第一の必要条件といえます。
②経営目標に直結した指標に基づいているか
経営目標、KPIなどの指標に基づいているかどうかも重要になります。経営戦略に直結する内容でなければなりません。
③最新情報が自動集計されるか
経営ダッシュボードは、常に最新情報でなければ意味を成しません。そのリアルタイム性はどのように保たれるのかは重要です。自動集計されるBIツールを用いるなどの仕組みが必要になります。
④異常値がハイライト・色を変えるなどされているか
異常値や指標から大きく外れたものなどは、パッと見てわかるようにハイライト、アラートの色変えなどがされているかどうかも大切なポイントです。
⑤適切なグラフの使用がされているか
棒グラフ、折れ線グラフ、円グラフ、散布図、レーダーチャートなど、一口にグラフといっても多種多様です。適切なグラフが使用されているかどうか、一つ一つ見直す必要があります。
⑥ビジュアルが見やすいか
見にくいデザイン、色などはそもそも経営ダッシュボードのメリットを享受できません。ビジュアル的に、デザインや色などが、単純に見やすいかどうかも重要なポイントです。
まとめ
経営ダッシュボードは、このビッグデータ時代において、経営に直結する、非常に重要なツールといえます。BIツールには、優れた経営ダッシュボードを作成する機能が備わっており、多くの企業はすでに活用しています。経営ダッシュボードの作成をお考えの方は、ぜひこれらのポイントを押さえて、優れた経営判断にお役立てください。
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