データ戦略とは?必要性や策定ステップ、取り組み事例を解説!
近年は、増大するデータ量とデータの質の向上により、分析ツールによる分析やBIツールなどを用いたデータの可視化が積極的に進められています。そうした環境の中、いかにデータを活用するか、データ戦略の重要性が高まっています。
今回は、データ戦略の必要性や策定ステップ、データ戦略の成功事例についてご紹介します。
データ戦略とは? その必要性を解説
まずはデータ戦略の概要と求められる背景を見ていきましょう。
◆データ戦略とは
データ戦略とは、簡単に言えば、データをどのように収集して分析し、施策に活かしていくための戦略を指します。
組織としてビジネスを進める上で、データを重要視し、分析基盤を構築してあらゆる施策の実行を進めるために、戦略的アプローチを取ることが求められています。
◆データ戦略が求められる背景
これまでもデータを利活用することは行われていました。しかし、現在はデータをただ利活用するのではなく、綿密な戦略を立てて、データを利活用していくことが求められています。
その背景として考えられるのは、データ量の急速な拡大とデータの質の向上です。
さらに、データ分析ツールやBIツールなどの可視化ツールの進化や浸透を背景に、市場競争に勝ち抜いていくためにはデータを積極的に活用していくことが必要不可欠となっていることも考えられます。
日本政府がデータ戦略を進めていることも、日本企業にとって必要性が高まっている背景といえるでしょう。
またデータが多く流通しているということはプライバシーやセキュリティといったリスクも大幅に増大していることを意味します。よって、ただデータを利活用するのではなく、データを整備し、データガバナンスを考慮する姿勢も重要になってきています。
データ戦略の策定ステップ
データ戦略を策定する際には、次のような手順で進めていくと良いといわれています。
◆課題を洗い出し、データ活用の目的を設定する
データ戦略の策定に重要なのは、目的設定です。まずは自社のあらゆる課題を洗い出し、データ活用の目的を明確にすることが重要です。
◆経営・事業戦略とつなげる
データ戦略は、ただ単独で行うものではなく、データ活用の目的を念頭に置きつつ、必ず経営や事業の戦略と整合性を持たせる必要があります。
◆分析テーマを決定する
データ活用を通じて、具体的にどのような分析を行い、データによってどのような答えを出したいのかという分析テーマを明確にします。例えば、データ戦略の目的が「売上向上」であった場合には、顧客の獲得数やリピート数のデータを収集し、分析テーマに据えます。
◆評価指標を決定する
評価指標として、月次や四半期といった短期的な単位でKPIを設定して測定しながら、ゴールである目的へと近づけていきます。
◆データガバナンス要件を検討する
データの利活用に当たっては、前もってガバナンスやコンプライアンス、法規制について熟知しておく必要があります。近年はデータに関する規制が増えていることから、企業はリスクを回避するためにも、データガバナンス要件を検討することは欠かせません。
◆適切なデータを選択して収集する
目的に応じて最適なデータを決め、社内外から収集します。データ戦略において、取り扱われるデータの種類やその範囲は広範囲に渡ります。例えば、社内で得られるデータには顧客データのほか、Webサイトから収集される閲覧履歴やECサイトにおける購入履歴、経理データや販売データ、店舗を持つ場合は、監視カメラから得られる消費者の行動データなどが挙げられます。社外で得られるデータには、気象データや交通データなどがあります。
◆最適な人材とツールで分析環境を構築する
データ活用や分析に必要な環境構築します。データ分析基盤の構築、適切な人材のアサイン、最適なツールの選定、データ保護方法の検討、部門を超えた連携体制の構築などが挙げられます。
◆データ分析を行う
収集したデータと整えた環境でデータ分析を行っていきます。データ分析はただツールに分析させるだけでなく、専門的な知見をもとに進めていく必要があります。外部の専門家と提携して行うケースも少なくありません。また、近年は社内でもデータ分析を行える人材を育成する動きも見られます。
◆課題解決策を実行する
データ分析の結果を生かすために、具体的な施策を考案し、実行に移します。施策を実行しながらも、さらにデータを取得して、分析を進めていくことで、さらなる改善を重ねていく継続的な取り組みが求められています。
データ戦略を確実に実行するために必要な文化醸成
データ戦略を確実に実行するためには、手順通りに作業を進めていくだけでは足りません。同時に組織内においてデータの重要性を理解する文化を醸成することが重要になってきます。
まずはデータ活用の重要性を組織内全体が理解していることが求められます。そのためには、組織のデータを全員が信頼できるような状態にする必要があります。その意味でも、データガバナンスや、データのアクセス権限の管理、セキュリティの強化などは重要な項目といえます。
また経営トップが従業員のデータに基づく意思決定を奨励し、データを共有し、学び合う環境を作ることもポイントです。
実際、計画通りにデータの分析や活用を進めていくにあたっては、従業員が共通して参照できるデータ活用方針・ルール作りも重要です。
このような様々な活動を通じて、組織内にデータが重要であると言う文化を醸成することが、データ戦略を順調に遂行するためには必要不可欠です。
データ戦略の成功事例
データ戦略を綿密に策定し、データ利活用を成功させている企業は数多くあります。その中から注目の成功事例をご紹介します。
◆総合通販業
ある世界的な総合通販業の企業は、通販サイトにおいて得られたユーザーデータ分析結果をもとに、商品のリコメンドや在庫最適化を行い、ユーザーにとってより使いやすいサービスへと改善しています。そこには、戦略的に立てられたデータ活用が背景としてあります。これによって、ユーザーに優れた顧客体験が提供され、リピート利用が促進するという好循環を生み出しています。
◆自動車メーカー
ある米国の自動車メーカーは、自動車に搭載された無数のセンサーから大量のデータを収集しており、それを元に自社が製造した自動車の挙動や故障率のモニタリングを進めています。膨大なデータを取り扱うための戦略を立て、継続的な品質向上という目的に向けて取り組んでいます。
◆カード会社
ある日本のカード会社はデータ戦略部を構築し、キャッシュレス化に伴って発生するデータをいかに活用するかという課題に取り組んでいます。
従来は専門家に任せていた領域も、データ戦略部では専門性に頼らず、全社的に活用できるような組織運営を目指し、デジタル人材の育成などを進めています。
◆小売業
事業者向けに工具や資材販売を行うECサイトを運営するある企業では、全社的なデータ活用を目的とした組織づくりを進めています。その中心を担っているのがデータマーケティング部門です。約90名のメンバーのうち、約6割がエンジニアで、SQLを用いた解析スキルや高い統計スキルを持ったメンバーをアサインし、ECサイトの売上最大化や各種システム基盤の開発・運用を行っています。
この企業は1,800万点以上の商品を扱い、顧客データ分析で最適なタイミングでの商品レコメンドを実現。CXプラットフォーム導入で施策実行を迅速化し、PDCAサイクルを高速化することで、売上は1,000億円を超え、384万の事業者が顧客となっています。
まとめ
データ戦略の基本事項をご紹介しました。データはただ利活用するだけでなく、戦略的に進めていく必要があります。そのデータ戦略においてデータ分析基盤や可視化の仕組みなどの環境構築は大前提として重要になってきます。
例えば社内のデータ統合化・可視化ツールとしてBIツールが活用されています。
「LaKeel BI」は、誰もが使いやすいセルフサービスBIであることから、全社的にデータ戦略文化を醸成するのに最適なBIツールです。ぜひ一度ご検討ください。
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「ビッグデータ」や「IoT」などの言葉の普及とともに、
「データをビジネスに有効活用し、企業の成長を加速させよう」というメッセージが
多く出回っています。
企業の持つさまざまなデータを有効活用するためには、BIツールは大変役立つツールです。
しかし、BIツールを使いこなし、データを事業成長に活かすことができている企業は
決して多くないというのも、一方では事実です。
実は、BIツールを有効活用するための出発点は、導入時にあります。
「BIツールで何を実現しようとするのか不明確だった」
「ツール選定時に、機能チェックの見落としがあった」
「導入に気を取られ、運用についてまで確認しきれなかった」
導入時に行うべき検討を十分に行わなず、導入後に「こんなはずじゃなかった・・・」と
後悔しても、後の祭りです。
本資料では、BIツールを導入する際に検討しておくべき13のチェックポイントをご紹介します。
ぜひ、貴社のBIツール選定にご活用ください。
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